投資信託は途中で終了することがある|SBI NASDAQ100で確認した純資産総額と繰上償還
私は現在、オルカンを資産形成の中心にしながら、NASDAQ100をサテライトとして保有しています。
NASDAQ100へ投資する商品として選んだのが、2026年5月21日に運用を開始した「SBI NASDAQ100インデックス・ファンド」です。
このファンドは、設定時に139.85億円を集めて運用を開始しました。
その後も資金流入が続き、2026年6月9日には純資産総額500億円を突破しています。運用開始から1か月を待たずに500億円へ到達したことになります。(SBIアセットマネジメント)
低コストで、多くの資金が集まっている。
この数字だけを見ると、長期投資先として安心できるように感じます。
しかし、投資信託を選ぶときは、
- 信託報酬
- 過去の値動き
- 純資産総額
- 運用方法
- 信託期間
- 繰上償還の条件
まで確認する必要があります。
投資信託は、一度購入すれば必ず何十年も運用が続く商品ではないからです。
この記事では、SBI NASDAQ100の純資産総額をきっかけに、投資信託の「繰上償還」と、長期保有する商品を選ぶときに確認したい項目を整理します。
SBI NASDAQ100インデックス・ファンドとは
SBI NASDAQ100インデックス・ファンドは、NASDAQ100指数への連動を目指す投資信託です。
NASDAQ100指数は、米国のNASDAQ市場へ上場する企業のうち、金融を除いた時価総額上位の銘柄で構成されます。
このファンドの主な特徴は、次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 運用開始日 | 2026年5月21日 |
| 信託期間 | 無期限 |
| 購入時手数料 | なし |
| 信託財産留保額 | なし |
| 信託報酬 | 年0.1958%・税込 |
| 主な投資対象 | NASDAQ100指数の構成銘柄 |
| 為替ヘッジ | 原則なし |
SBIアセットマネジメントの案内では、信託報酬は年0.1958%、購入時手数料と信託財産留保額はありません。ただし、監査報酬、売買委託手数料、外貨建資産の保管費用など、信託報酬以外の費用が発生する場合があります。(SBIアセットマネジメント)
したがって、
信託報酬が年0.1958%だから、実際の運用コストも必ず年0.1958%だけ
という意味ではありません。
運用開始から日が浅いため、実際の総経費率や指数との連動状況は、今後の運用報告書などで確認していく必要があります。
純資産総額とは
投資信託の純資産総額は、ファンドが保有している株式や現金などの資産から、費用や負債を差し引いた金額です。
簡単に表現すると、
その投資信託全体で、現在どの程度のお金を運用しているか
を表す数字です。
投資家から新しい資金が入れば、純資産総額は増えやすくなります。
一方で、
- 投資対象の価格が下落する
- 投資家による解約が増える
- 分配金が支払われる
- 運用費用が差し引かれる
といった場合には減少します。
そのため、純資産総額が増えたからといって、すべてが運用益による増加とは限りません。
SBI NASDAQ100の場合、139.85億円で始まり、5月26日に200億円、6月3日に400億円、6月9日に500億円を突破しました。
運用開始直後に大きな資金流入があったことは分かりますが、これだけで将来の運用成果が保証されるわけではありません。(SBIアセットマネジメント)
純資産総額が大きいと何がよいのか
純資産総額が大きいことには、一般的に次のような安心材料があります。
- 多くの投資家から資金が集まっている
- ファンドの運用を継続しやすい可能性がある
- 売買や資金管理を効率化しやすい場合がある
- 急な資金流出の影響を相対的に受けにくい場合がある
ただし、純資産総額が大きければ絶対に安心というわけではありません。
ファンドの規模が大きくても、
- 投資対象の価格が大幅に下落する
- 大量の解約が発生する
- 対象指数が廃止・変更される
- 運用会社が商品を統合する
- 運用継続が難しくなる事情が発生する
可能性はあります。
反対に、純資産総額が小さくても、運用会社が長期間維持する商品もあります。
したがって、
純資産総額の大きさは、ファンドの継続性を考える材料の一つ
と捉えるのがよいと思います。
投資信託が途中で終了する「繰上償還」とは
投資信託には、あらかじめ決められた信託期間があります。
信託期間が10年、20年などと決まっている商品もあれば、SBI NASDAQ100のように「無期限」とされている商品もあります。(SBIアセットマネジメント)
しかし、信託期間が無期限でも、必ず永久に運用が続くわけではありません。
一定の条件に該当した場合、予定より早く運用を終了する「繰上償還」が行われる可能性があります。
繰上償還になると、そのファンドの運用は終了し、保有者には償還時点の基準価額などに基づいた金額が返されます。
自分が希望したタイミングではなく、運用会社側の判断や商品条件によって保有が終了する点が、通常の売却との違いです。
SBI NASDAQ100の繰上償還条件
SBI NASDAQ100の交付目論見書では、信託期間は無期限とされています。
一方で、次の場合などには繰上償還となる可能性があります。
- 信託財産の純資産総額が10億円を下回ることとなった場合
- 対象インデックスが改廃された場合
- 償還することが受益者のために有利だと認められる場合
- その他、やむを得ない事情が発生した場合
ここで重要なのは、
純資産総額が10億円を下回ったら、必ずその場で自動的に終了する
という意味ではないことです。
目論見書には「繰り上げて償還となる場合があります」と記載されています。
10億円は判断条件の一つであり、運用会社による手続きや判断を経て繰上償還となる可能性がある、という内容です。
現在確認できる500億円という規模は、この10億円を大きく上回っています。
そのため、少なくとも純資産総額だけを見れば、直ちに10億円の条件へ近づいている状態ではありません。
ただし、現在の規模が将来も維持される保証はなく、繰上償還の条件も純資産総額だけではありません。
繰上償還になると何が困るのか
繰上償還になっても、投資した資金が無条件ですべて消えるわけではありません。
償還時点の基準価額に応じて、償還金を受け取ることになります。
それでも長期投資では、次のような問題が生じます。
自分の予定と関係なく運用が終わる
私はNASDAQ100を短期売買ではなく、長期間保有するサテライト資産として考えています。
繰上償還になると、相場の状況や自分の資産計画に関係なく、その商品での運用が終了します。
下落している時期に終了する可能性がある
繰上償還の時期を、投資家が自由に選ぶことはできません。
相場が下落して含み損になっている時期でも、償還される可能性があります。
代わりの商品を探す必要がある
運用を続けたい場合は、償還金を使って別の投資信託やETFを購入することになります。
その際には、
- 新しい商品の信託報酬
- 運用方式
- 販売会社
- NISAで購入できるか
- 指数との連動状況
などを再び比較しなければなりません。
NISAでの再投資には年間投資枠が必要になる
NISA口座で保有していた投資信託が償還された場合でも、償還金を別の商品へ自動的に移せるわけではありません。
別の商品をNISAで購入する場合、その年に利用できる年間投資枠の範囲内で買い直す必要があります。
また、売却や償還で減少した非課税保有限度額は、翌年以降に取得価額を基準として再利用できる仕組みですが、その年の年間投資枠が増えるわけではありません。
そのため、運用自体は続けられても、計画どおり同じ非課税口座内で即座に移し替えられるとは限りません。
繰上償還は「資産形成がすべて終わる」という意味ではない
以前の私は、繰上償還を「強制立ち退き」と表現し、資産計画が根本から崩れるように書いていました。
しかし、これは少し大げさでした。
繰上償還になっても、償還金を受け取って別の商品へ投資することはできます。
本当の問題は、
- 長期保有の予定が途中で中断される
- 売却時期を自分で選べない
- 新しい商品を探す手間が発生する
- NISA枠の使い方を調整する必要がある
- 保有記録や運用方針が途中で変わる
という点です。
したがって、繰上償還は長期投資にとって不便な出来事ですが、
発生したら資産形成が完全に失敗する
というものではありません。
「純資産10億円以下なら危険」と一律には判断しない
投資信託について調べると、
- 純資産総額10億円未満は避ける
- 30億円以上なら安心
- 100億円を超えれば安全
といった目安を見かけることがあります。
しかし、繰上償還の条件は商品ごとに異なります。
SBI NASDAQ100では、純資産総額10億円が条件の一つとして明記されています。
別のファンドでは、
- 受益権の口数
- 投資対象ファンドの終了
- 指数の廃止
- 信託期間の満了
- 運用会社の判断
など、異なる条件が設定されている場合があります。
そのため、一般的な数字だけで判断せず、
自分が購入する商品の交付目論見書を確認する
ことが大切です。
純資産総額を見るときは推移も確認する
現在の純資産総額が大きくても、減少が続いている場合は注意が必要です。
反対に、設定直後で規模が小さくても、継続して資金が流入している商品もあります。
見るときは、現在の金額だけでなく、
- 設定時の純資産総額
- その後の増減
- 基準価額の動き
- 資金流入と解約の傾向
- 設定からの経過期間
を合わせて確認します。
ただし、純資産総額の増減だけでは、資金流入と値上がりの影響を完全に分けることはできません。
純資産総額が増えていても、投資対象の価格上昇による部分が大きい可能性があります。
月次レポートや資金流出入の情報が公表されている場合は、それも確認した方が状況を把握しやすくなります。
信託報酬の安さだけで決めない
SBI NASDAQ100を選んだ理由の一つは、信託報酬の低さです。
年0.1958%という信託報酬は、長期間保有するうえで魅力があります。(SBIアセットマネジメント)
しかし、投資信託の費用は信託報酬だけではありません。
目論見書には、次の費用が発生する可能性も記載されています。
- 監査報酬
- 信託事務に必要な費用
- 法定書類の作成や交付費用
- 株式などを売買する際の委託手数料
- 外貨建資産の保管費用
これらは運用状況によって変わるため、事前に合計額を示すことができないとされています。(SBIアセットマネジメント)
したがって、実際に保有する際には、
- 信託報酬
- 総経費率
- 指数との連動差
- 売買コスト
- 為替取引に伴う費用
などを、運用報告書で確認していきます。
純資産総額以外に確認したい項目
長期間保有する投資信託を選ぶとき、私は次の点を確認します。
信託期間
無期限なのか、終了日が決まっているのかを確認します。
無期限でも繰上償還の可能性はありますが、最初から信託期間が短い商品は、自分の運用期間と合わない場合があります。
繰上償還の条件
純資産総額だけでなく、指数の変更や運用上の事情も確認します。
純資産総額と推移
現在の規模だけでなく、資金が流入しているか、減少が続いていないかを見ます。
信託報酬とその他の費用
表示されている信託報酬だけでなく、実際の総経費率を確認します。
ベンチマークとの連動状況
インデックスファンドであっても、指数とまったく同じ結果になるとは限りません。
運用報告書が公表されたら、指数との乖離を確認します。
販売会社
購入できる金融機関が少ない場合、口座変更やサービス変更の影響を受ける可能性があります。
運用方式
株式へ直接投資するのか、ETFや別の投資信託を通じて投資するのかを確認します。
方式によって費用や連動状況が変わる可能性があります。
SBI NASDAQ100は繰上償還の心配がないのか
2026年6月9日時点で、SBI NASDAQ100の純資産総額は500億円を突破しています。
目論見書にある10億円の条件と比べると、大きな差があります。(SBIアセットマネジメント)
この点は、運用継続を考えるうえで安心材料の一つです。
ただし、
- 将来の純資産総額
- NASDAQ100指数の継続
- 運用会社の判断
- 資金流出
- 商品の統合や変更
は予測できません。
したがって、
500億円あるから繰上償還は絶対に起きない
とは言えません。
現時点では純資産規模が大きく、直ちに10億円へ近づいている状況ではない。
ただし、今後も定期的に確認する。
これが私の現在の判断です。
私は純資産総額をどのように確認するか
投資信託を購入した後も、毎日純資産総額を確認する必要まではないと思っています。
長期投資なのに、毎日の変化を気にしすぎると、相場の上下に振り回される可能性があります。
私の場合は、
- 月次レポートが更新されたとき
- 運用報告書が公開されたとき
- 大きな商品変更が発表されたとき
- 純資産総額が急激に減ったとき
- 積立方針を見直すとき
に確認する予定です。
また、ファンドの規模だけではなく、自分の金融資産全体に占める割合も確認します。
私はNASDAQ100を資産形成の主力にはせず、オルカンをコア、NASDAQ100をサテライトとして保有する方針です。
仮にNASDAQ100ファンド側に問題が起きても、資産全体がその商品だけに依存しないようにしています。
以前の私は「低コストなら正解」と考えすぎていた
SBI NASDAQ100が登場した当初、私は信託報酬の低さを強く評価しました。
実際に約100万円を購入し、一時は資産形成の主力にしようと考えていました。
しかし現在は、投資信託を選ぶ際に、信託報酬だけを見るのでは不十分だと考えています。
確認したいのは、
- どの指数へ連動するのか
- どの程度の値動きがあるのか
- 純資産総額はどう推移しているか
- 繰上償還の条件は何か
- 実際の運用コストはいくらか
- 自分の資産全体でどの役割を持たせるか
です。
低コストは重要ですが、低コストだけで将来の利益や運用継続が保証されるわけではありません。
まとめ:純資産総額は「継続性を判断する材料の一つ」
SBI NASDAQ100インデックス・ファンドは、2026年5月21日に139.85億円で運用を開始しました。
その後も資金流入が続き、6月9日には純資産総額500億円を突破しています。(SBIアセットマネジメント)
また、交付目論見書では、
- 信託期間は無期限
- 純資産総額が10億円を下回った場合
- 対象指数が改廃された場合
- 受益者のために償還が有利と判断された場合
- その他やむを得ない事情が発生した場合
などに、繰上償還となる可能性が記載されています。
現在の純資産規模は、10億円の条件を大きく上回っています。
そのため、純資産総額だけを見る限り、直ちに繰上償還を心配する状態ではないと考えています。
ただし、500億円という数字だけで、将来の継続や運用成果が保証されるわけではありません。
投資信託を長期保有するなら、
- 純資産総額
- 純資産の推移
- 信託期間
- 繰上償還条件
- 信託報酬
- 総経費率
- 指数との連動状況
を確認する必要があります。
純資産総額は、大きければ必ず安全、小さければ必ず危険という数字ではありません。
ファンドが長期運用に向いているかを判断するための材料の一つです。
私は今後も、オルカンをコア、NASDAQ100をサテライトとする方針を続けながら、SBI NASDAQ100の運用状況や純資産総額を定期的に確認していきます。
免責事項
この記事は、筆者個人の投資経験と、公開されている資料をもとに投資信託の仕組みを整理したものです。特定の金融商品への投資を推奨または勧誘するものではありません。純資産総額、信託報酬、商品内容などは今後変更される可能性があります。投資信託には価格変動、為替変動、信用、流動性、繰上償還などのリスクがあり、元本は保証されません。購入前には、最新の交付目論見書や運用報告書を確認し、最終的な投資判断はご自身の責任で行ってください。


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